鳥類学者 無謀にも恐竜を語る 川上和人著 技術評論社 2013/03/16

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 タイトルを見ればわかるように著者は健筆、テーマもホット、でも「恐竜は~」や「6度目の~」のようなカタルシスを得られない。私がスレッカラシなのか?
 本書は巨大隕石の衝突による恐竜絶滅で締めくくられる。そして、「我々人類は叡智と楽観を駆使して、いずれ来る新生代末の巨大隕石衝突による大量絶滅イベントを乗り越えよう。そしてぜひとも次なる生物進化の様子を高みの見物と決め込もうではないか!」(265ページ) 科学は観察者を被観察系の外に置くことで成立する。しかし、たぶん高みの見物は実現しない。科学的必然に基づく未来予測は悲観でも楽観でもない。絶滅が人類史にあらかじめビルトインされているというのが我々にゆるされた傲慢で甘美な悲観である。というわけで、以前読んだ「楽しい終末」を読みたくなった。