応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 呉座勇一 中央公論新社 2016/10/19

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内藤湖南によって日本史最大の事件とされた応仁の乱をリアルに、ダイナミックに描いた話題の書。著者は奈良興福寺の僧侶であった経覚(きょうがく)、尋尊(じんそん)の日記という一級資料によって「戦乱の渦に巻き込まれた人々の生態をそのまますくい取る」ことに成功した。
応仁の乱は東軍に将軍足利義政、義直、西軍に足利義視があったが、西軍は南朝皇胤を抱き込んで権威の強化を図ったそうだ。南朝皇胤の政治性というか胡散臭さに心魅かれる。貴種流離譚の美しさではなく、田舎の三文芝居のような権威がロマンチックだと思う。この後室町幕府も二人の将軍が並立するようになり、やがて織田信長に滅ぼされる。しかし、そこにも虚構と区別のつかない権威の力学が存在していたように思う。