対話 起源論 岸田秀 新書館  1998/07/03

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対話の相手とテーマは次の通り、山極寿一(父の起源)、岡田英弘(歴史の起源)、網野善彦(国家の起源)、今村仁司(近代の起源)、三浦雅士(幻想の起源)。岡田英弘に期待したがスウィングしすぎたようだ。網野善彦ポレミカルに議論を誘発する力が圧倒的だった。
岸田「かつて百済が日本のものだったのではなくて、半島で新羅に滅ぼされた百済が、列島で日本になったのではないか、ということが考えられる。日本の起源は百済だった。(中略) そこでできたのが、日本は天から降りてきた神様がつくった国だという天孫降臨の神話です。起源の隠蔽ですね。(中略)皇国史観がなぜ必要だったのかの心理的背景を引っ剥がしてみればそのように考えられるということなんです。」(85ページ)
岸田「もちろん、国家は弱体化した方がいいに決まっています。有害な存在ですから」
網野「国家の強くない時代もあったわけです。中世ですと、国家はそれほど強力でないから『はずれた』連中による組織ができているわけです。(中略)商業・通商の分野は本質的に国家を越えたものですね。その意味で資本主義は確かに国家を越えるものなんです。」(151ページ)