お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) 佐藤航陽 幻冬舎 2017/11/29

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) - はてなキーワード

 

 タイトルは秀逸。なんとなく新しそうなのだけど説得力がない本。編集者(幻冬舎)に問題があるのか、話が満載だけど脈絡がない。ビットコインが色あせてしまった現在、本書のパースペクティブは少なくとも判断保留が妥当と思われる。
 「フェイスブック企業価値が1兆円程度(現在は50兆円)の時にも売上や利益はまだとても小さく、財務諸表から企業の価値を判断する金融の人たちからしたらとんでもない『バブル』だと言われていました。(中略)フェイスブックの最大の価値はユーザーのデータであり、これらを価値に換えていないだけでした。もしこういったユーザーの行動データも資産として企業価値に反映させることができれば、こういった認識のズレも生まれなかったはずです。金融の枠組みはどんどん現実世界の価値を正しく認識できなくなっています。」(160ページ)じゃあ、どうするの?ということだ。著者は「内面的な価値」が重視される、納得して自分のやりたいことをやるのが幸福と説くが、一方で、自らの経済的成功を背景に置いているので、どうも詐欺師の台詞に聞こえてしまう。