だめだし日本語論 太田出版 2017.6 橋本治 橋爪大三郎 著

だめだし日本語論 - 太田出版

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双調平家物語ノート(1)権力の日本人 橋本治 講談社 2006年03月31日 - いもづる読書日記

双調平家物語ノート(2)院政の日本人 橋本治 2009年6月30日 - いもづる読書日記

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ふしぎなキリスト教 | 現代新書 | 講談社

それぞれ、独自の考えを持って、対象を活写していくお二人だが、相乗効果のようなものは無かったか。双調平家物語ノートの復習にはなった。
「橋爪『ここがいちばんのポイントではないかと思います。それは歌が、公的性格を持つのか、持たないのかということとつながっていると思う。(中略)朝鮮と日本は言語系統は同じですが、私の知る限り、朝鮮は父系社会で、儒教の国です。でも日本はそうではない。ですから日本では、天皇をはじめ、貴族・豪族たちの男女のコミュニケーションが、国家体制の根幹と結びついている。だからどうしても、男女のあいだの歌を、文字化せざるをえなかったのはないか。』
橋本『かなり事実に近いと思います。《古事記》や《万葉集》のころというのは皇極・斉明天皇持統天皇元明天皇ら女帝の時代です。独身の女帝も他にはいますが、この三人は寡婦です。ですから男女間のコミュニケーションに対する憧れのようなものがあって、そのことが歌を文字化し残していくことにつながった……というようなことだったのかもしれません。(後略)』」(91ページ)