海賊がつくった日本史 山田順子著 実業之日本社(2017/08発売)

海賊がつくった日本史 / 山田 順子【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア

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古代技術の復権 森浩一対談集 森浩一編 小学館ライブラリー(1994/08発売) - いもづる読書日記

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 呉座勇一 中央公論新社 2016/10/19 - いもづる読書日記

仕事で松山に行ったとき、今治村上水軍博物館というのがあるのを知った。ちょっと興味を持ってこの本を読んでみた。古代から江戸時代に鎖国されるまでの海賊の歴史が描かれる。戦争が行われた時期には海民が活躍し、平時は活動が制限される歴史が繰り返したようである。源平の合戦や織田信長が水軍を活用した話は面白かったが、印象に残ったのは南朝の中心人物である北畠親房海上作戦だった。親房は東西の海民のネットワークを糾合し、京都の足利政権にプレッシャーを与えようと考えたらしい。まだ、中央集権の基盤がぜい弱だった時期の、フィクションとしての王権の正当性の持つ奇妙な吸引力は、「応仁の乱」に感じたものにも通じる。

いつか、しまなみ海道村上水軍博物館をたずねてみたいものだ。