時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。和田靜香著 小川淳也取材協力 2021/9/5 左右社

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音楽に恋をして♪ 評伝・湯川れい子 2012/12/20 和田靜著 - いもづる読書日記

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筑摩書房 海をあげる 上間 陽子 著

面白いんだけどなんだか乗れない。著者は映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見て取材対象に興味をもったそうなので、この映画を見たいと思った。財政、環境、原発、男女の不平等、沖縄などの問題が提示され、著者と取材対象である小川淳也氏がくんずほぐれつ議論を展開する。違和感の一つは「私たち民主党政権がかつて国民の期待に応えられなかったことが罪なんですが」(241ページ)みたいな記述だ。今年の憲法記念日改憲側の集会に国民民主党の玉木代表が出席したそうだが、旧民主党の内包していた矛盾が、いまだに野党側がパッとしない原因なんじゃないだろうか。小川氏は高福祉、高負担(消費税100%!)を構想しているそうで、痛みをともなう現実的な政策を提起している点が信頼できる。「僕は立憲民主党のリベラルの人たちから比べると、ずいぶん中道かもしれません。」(204ページ)みたいな発言もあるので、「自分の道」を歩んでしまわないか心配。オープンな議論に基づく政策決定が切望されるが、市井の人を巻き込んだ議論のモデルケースとして本書は有用だとは思う。