北アイルランド紛争の歴史 堀越 智著 1996/0 論創社

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北アイルランドはイギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)の一部である。もともと、アイルランド島全体がイギリス領だったが、イースター蜂起(1916)を経て南アイルランドは共和国となった。それ以前から北アイルランドにおけるプロテスタント(ユニオニスト)とカトリック(ナショナリスト)の対立は存在したが、プロテスタントが権力を握った北アイルランド行政府は公的にカトリック市民を弾圧する。「その成立の過程に矛盾に満ちた基盤の不安定さがあり、そのために極めて歪つな国家となった。現在の北アイルランド紛争は、すでに述べてきた歴史的経過を背景としているが、直接的にはここに根源があるのである」(102ページ)
本書は1996年の発刊だけど、やっと明かりが見え始めたところ。ウィキペディアではこのあと、1998年のベルファスト合意、2007年のイギリス軍撤退をいわゆる北アイルランド問題の終結ととらえるようだ。同時代のアメリカの公民権運動の影響から平和デモもあったが、分派活動とか内ゲバとか日本の学生運動とそっくりの展開もある。全共闘世代の活動家バーナデット・デブリン、市民活動家でアイルランド共和国の大統領になり、諸派と粘り強く交渉したメアリー・ロビンソン、そしてジェリー・アダムスの存在が興味深い。それからトニー・ブレアかな?