そろそろ左派は〈経済〉を語ろう レフト3.0の政治経済学 ブレイディみかこ 松尾匡 北田暁大 亜紀書房 2018年4月25日

亜紀書房 - そろそろ左派は〈経済〉を語ろう レフト3.0の政治経済学

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「ヨーロッパ・コーリング」あたりでよくブレイディさんが語られたコービン労働党に触発された本かと思う。教条主義で行き詰ったレフト1.0、民営化という現実路線にモデルチェンジしたはいいけど労働者にしわ寄せが行き、誰のための政策かわからなくなった(ブレアに代表される)レフト2.0に対し、経済成長と社会保障のセットを目指したジェレミー・コービンのレフト3.0が希望の星として描かれる。
「いまやネオリベというのは、『気に入らないものを何でも批判できる魔法の言葉』みたいになっていますが、強いてこれを定義するとすれば『財政均衡を目指して緊縮して、小さな政府で行こう』という思想ですね。そしてそれとセットに、『民営化みたいなやり方で、これまで政府が担ってきた公共事業や社会保障なども、会社社会のほうに押しつけてしまおう』という姿勢があるわけです。」(北田、45ページ)という視点に立つと、「このかん『アベノミクス』と称して掲げられてきたスローガンの全部が、別に新自由主義的な経済政策ではないということは事実なので」(松尾、163ページ)ということになるらしい。アベノミクスが単なる企業優遇策で、しかも優遇された企業が業績向上策を持たなかったせいで、どんどん国力は削がれていく。いずれにしろ、硬直化、決められない病が日本の病根であるのはあきらかだと思う。失敗してもいいから、だれか理想を語ってくれと願っている。れいわ新選組