薬物とセックス (新潮新書) 溝口敦 新潮社 2016/12/15

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TO 食肉の帝王―巨富をつかんだ男 浅田満 - はてなキーワード

 

 題名はスキャンダラスで、内容も十分に週刊誌的だが、取材の行き届いたちゃんとしたところはちゃんとした本。第3章「薬物の闇ビジネスはどうなっているか?」には乱用薬物の種類・作用という表が掲げられ、中枢薬理学を学びたい人にも有用。MDMAやTHCが目新しいところだが、従来の薬物のスペクトルを超えるものではないことが解る。
 人間はケミカルマシーンだという議論が以前はあったが、少なくとも脊椎動物より高等な生物は同じような神経伝達システムを持っているのだから、薬物依存はやはり肥大した脳による内部イメージを持ってしまったことの副作用だと捉えるほうが正しいのではないだろうか。性行為は本能でやっているのではないのだよという岸田秀的な結論に、この件については走りたい衝動に---、私を駆り立てているのは何?