重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る ブルーバックス ピエール・ビネトリュイ 講談社 2017年08月17日

『重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る』(ピエール・ビネトリュイ,安東 正樹,岡田 好惠):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部

FROM

死ぬまでに学びたい5つの物理学 (筑摩選書) 山口栄一 筑摩書房 2014/05/13 - いもづる読書日記

重力波観測装置”LIGO”のことは知っていたが、GW150914のことは知らなかった。2015年9月14日に観測された重力波で、13億光年の彼方で太陽質量の36倍と29倍のブラックホールが合体し、これに伴う重力波が観測された。放出された総エネルギーは太陽質量の3倍分という途方もないスケールだ。カミオカンデによる、超新星爆発に伴うニュートリノの検出のようだ。装置があるところにイベントがやって来る。
本書は重力波一般相対性理論で予想された重力による時空のゆがみ、について紹介した本。ビッグバン、インフレーション理論、ダークマターダークエネルギーなど現代物理学のトピックに関して解説してくれる。全てを理解できたわけではないが、やはり重力波検出の話題が印象に残る。英語版のウィキペディアでは上記以降97個の重力波イベントが記録され(2024/8/6現在)、重力波天文学という分野が切り拓かれたのがわかる。