なぜ私たちは生きているのか シュタイナー人智学とキリスト教神学の対話 佐藤優 高橋巖 平凡社新書 2017/11

なぜ私たちは生きているのか - 平凡社

FROM

イエス伝 若松英輔 中公文庫 2023/1/20 - いもづる読書日記

書き換えられた聖書 バート・D・アーマン 著 ちくま学芸文庫 2019/06/10 - いもづる読書日記

先ごろ亡くなったルドルフ・シュタイナー研究家の高橋巌と、宗教に造詣の深い文筆家佐藤優の対談。シュタイナーはシュタイナー教育で有名だが、キリスト教に立脚しつつも独特の神秘主義思想家であり、両者の関心は重なりあう。
シュタイナーは神智学(theosophy)から別れて、人智学(anthroposophy)を興した。「高橋 神智学は、自然や物質のなかに神の意図を見ようとします。(中略)人智学は(中略)むしろ人間のなかに神を見つける運動です。ですから、有機農法や教育、芸術をとおして、どこまでも人間にかかわろうとします。グノーシスの立場なのです。」(131ページ)「佐藤 キリスト教神学はグノーシスを絶対に排斥しないといけない異端だとしています。しかし、それは一種の近親憎悪であって、グノーシスキリスト教に深く入り込んでいるからなのです。」(153ページ)