感染症の世界史 石弘之著 洋泉社 2014年12月31日

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感染症の世界史 石 弘之:文庫 | KADOKAWA

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イムリーな本を読んでみた。様々な感染症と人間の関わりの歴史を描いた好著だ。著者は環境学者なので以下のような主張が面目躍如である。「過去半世紀の間に、『新興感染症』が突如として出現した。このなかには、エイズ鳥インフルエンザSARSをはじめ、ラッサ熱、エボラ出血熱マールブルク熱など、野生生物が媒介する死亡率がきわめて高い新顔も含まれている。次々に新興感染症が出現したこの時期は、環境破壊が世界的に急拡大した時期でもある。人口の急増や経済の拡大で、森林の伐採や開墾、鉱工業の拡大、都市の膨張、大規模開発などによって本来の安定した自然のシステムが随所で崩壊した。」(85ページ)
興味深かったのはネコが媒介するトキソプラズマによって、脳内のドーパミン放出が促進され、行動がモディファイされるお話だ(第5章寄生虫が人を操る?)トキソプラズマがネズミに感染して起こるこの現象により、ネコを警戒しなくなる。ネズミはネコに食べられ、トキソプラズマはネコを宿主とすることができる、という利己的遺伝子説が展開される。う~ん。もうちょっと勉強してみようか。