アジアの中の日本―司馬遼太郎対話選集〈9〉 (文春文庫) - はてなキーワード
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タイワニーズ 故郷喪失者の物語 野嶋剛 小学館 2018/06/08 - いもづる読書日記
「朝鮮 民族・歴史・文化」金 達寿著 岩波新書 1958 - いもづる読書日記
アジアをテーマにした司馬遼太郎の対談集で、対談相手は桑原武夫、陳舜臣、開高健、金達寿、李御寧。解説は関川夏生。該博な知識と構想力に圧倒される。「で、日本はどうだったかと言うと、嘉永六年に蒸気船が来たとき、ああ、これを作ろうって三年後に薩摩と宇和島で作ってしまいますね。それは便利だからっていうより普遍性への憧れやね。それが技術の形になっているわけ。(中略)これが日本と中国の違いで、中国は自分の普遍性を持っていたために、近代化に時間がかかった。アラビア人はあと何年かかるかわからない。」(54ページ)
儒教が朝鮮社会をしばり発展を妨げてきたと、金達寿が繰り返しているのが印象的だ。「朝鮮 民族・歴史・文化」では朝鮮史における下からの改革のダイナミズムを述べていたが、抑圧と反発のエネルギーが大きいことが朝鮮=韓国の特徴か。北朝鮮の体制もいつかは転覆されるのかもしれない。