白村江 古代東アジア大戦の謎 講談社現代新書1379 講談社 1997.10 遠山美都男著

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伽耶は日本のルーツ 新泉社 2006/9/1 澤田洋太郎 - いもづる読書日記

東アジアの動乱と倭国 (戦争の日本史1) 吉川弘文館 2006/11/16 森公章 - いもづる読書日記

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『「白村江」以後』(森 公章):講談社選書メチエ|講談社BOOK倶楽部

「これら防衛施設(この時期各地で建設された朝鮮式山城、引用者注)は、煩雑に訪れる唐使の威嚇に戦々兢々としながら、あくまでも列島内部に立てこもって唐軍の侵攻に備えるために建造されたというのが通説である。しかし、高句麗滅亡後は唐と新羅が交戦状態に入ったこともあり、唐・新羅両国にとって倭国の軍事力は無視しがたいもので、両国ともにその援助を必要としていた。この時期、唐だけでなく新羅も煩雑に使者を派遣してきたのはそのためである。この時期の倭国の列島防衛というのは、追い詰められた敗戦国の受け身のそれではなく、逆に自信に満ち満ちた強気のそれと考えられると思う。そこに唐に対する威嚇を読み取ることも可能だろう。それは白村江に結集しえた大規模な水軍に見られたように、倭国の軍事力を誇示する行為であったといえよう。」(224ページ)