大化改新を考える 岩波新書新赤版1743 吉村武彦 2018/10/19

大化改新を考える - 岩波書店

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風土記の世界 岩波新書新赤版 1604 三浦佑之 2016/04/20 - いもづる読書日記

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「白村江」以後 ― 国家危機と東アジア外交 (講談社選書メチエ) 1998/6/1 森 公章 - いもづる読書日記

持統天皇-壬申の乱の「真の勝者」 (中公新書) 2019/10/16 瀧浪 貞子 - いもづる読書日記

蘇我氏の古代 (岩波新書)吉村武彦 岩波書店 2015/12/19 - いもづる読書日記

蘇我氏 ― 古代豪族の興亡 (中公新書) 倉本一宏 中央公論新社 2015/12/18 - いもづる読書日記

中大兄王子、中臣鎌足によって蘇我入鹿が暗殺された乙巳の変につづき、即位した幸徳天皇は「改新之詔」を発布する。この経緯は日本書紀に述べられるが、後年の潤色も多い。大化の改新がどのようなものであったか、考古学史料を駆使して考えようというのが本書である。大化の改新ではそれまでの国造による地域支配から、王権による権力集中が行われた。著者はこれを部民制から公民制への転換と呼ぶ。「不思議なことに『書紀』や『風土記』をみるかぎり、建郡つまり国造制の廃止に対し、従来その地を支配していた国造が抵抗した記述がない。(中略)当時の政治状況では、むしろ旧来の国造・伴造等として存在するよりも、朝廷から権威づけられる評の官人なる方が、地域支配を円滑に進める手立てになっていたのではないか。」(117ページ)皇位継承にも集権化が見られる。「それまで新天皇を選出するのは大臣らの群臣であった。(中略)皇極の譲位後は、王権内部の意思に基づき、新しく幸徳が即位したのであった。(中略)このように群臣推挙による新帝即位という従来の皇位継承が変わり、新帝の選出は王権による主導になった。」(39ページ)