TOKYO REDUX 下山迷宮 デイヴィッド・ピース 2021年08月24日 文藝春秋

『TOKYO REDUX 下山迷宮』デイヴィッド・ピース 黒原敏行 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS

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占領都市 TOKYO YEAR ZERO Ⅱ デイヴィッド・ピース 2012年08月28日 - いもづる読書日記

GHQと戦った女 沢田美喜 青木冨貴子 新潮社 2015/07/17 - いもづる読書日記

本作は下山事件。3部に分かれていて、第1部はGHQの捜査官、第2部は元刑事の私立探偵、第3部は元GHQ工作員が主人公となる。いもづる的に思い出したのは接収された沢田美喜の家にCISが入っていたということ。占領期についてはいろいろなことが言われるが、この三部作は謎を解明するというより、増幅する装置だったと思う。事実というのはもっと単純なんじゃないか。
話者が刻々と変わる著述法は前2作より洗練されている。構成が複雑で、一回読んだだけではよくわからない。この読後感はジョン・ル・カレのようだなと。
下山国鉄総裁が発見された常磐線東武線が交差する地点は、現在つくばエクスプレスが並行して走っている。TXに乗りながらああここかと、背筋が冷える思いをした。