丹羽宇一郎 戦争の大問題 丹羽宇一郎 東洋経済新報社 2017/08/04

丹羽宇一郎 戦争の大問題 - はてなキーワード

 

from 日本海軍はなぜ滅び、海上自衛隊はなぜ蘇ったのか 是本信義 幻冬舎 2005/10 - いもづる読書日記

永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」 (文春新書) 早坂隆 文藝春秋 2015/06/19 - いもづる読書日記

 

 伊藤忠商事社長会長から民間出身初の中国大使を務めた著者の戦争論、安全保障論。戦争が経済活動の観点からも不合理であることが述べられる。本書の前半では、1939年生の著者が、第二次大戦経験の風化と社会の右傾化への危機感から、戦中派の方達への取材を経て、戦争を行うことの愚かさを語っている。石橋湛山の言葉が印象的だ。「要は我に資本ありや否やである。もしその資本がないならば、いかに世界が経済的に自由であっても、またいかなる広大なる領土を我が有していても、我は、そこに事業を起こせない。」(134ページ)とし、小日本主義を主張したそうである。また、真の安全保障政策は政治と外交であり、決して軍事を意味しない。最も重要な抑止力は政治家の質であると述べている。だからこそ旧陸軍皇道派のような輩の跋扈をゆるしてはいけないのだが。