知性は死なない 平成の鬱をこえて 與那覇潤 文藝春秋 2018年04月06日

『知性は死なない 平成の鬱をこえて』與那覇潤 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS

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心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋― 斎藤環 、與那覇潤 新潮社 2020/05/27 - いもづる読書日記

メンター・チェーン ノーベル賞科学者の師弟の絆 ロバート・カニーゲル 工作舎 2020.12 - いもづる読書日記

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 先崎学 文藝春秋 2018/07/13 - いもづる読書日記

 那覇潤三冊目。著者の躁うつ病体験と現代の「非知性主義」が絡め語られる。発病にいたった「うらみ事」が重ねられ重苦しい気持ちになる。
著者はまじめな人なんだろうな。大学の存在意義についても縷々述べられるが、堂々巡りの感が否定できない。むしろ「先生はえらい」(ちくまプリマー新書)と言い切ってしまう内田樹に戦略性を感じる。理系には実験技術とか論理とか学習機会は多く、修行体験が「メンター・チェーン」に描かれた師弟関係を生む。理系は世界につながるが、文系はどうなのか?