現代小説の方法増補改訂版 中上健次著 高澤秀次編 作品社2022/08

作品社|現代小説の方法【増補改訂版】

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「エレクトラ―中上健次の生涯」 高山 文彦著 文藝春秋社 2007.11 - いもづる読書日記

JOHNNY TOO BAD 内田裕也 モブ・ノリオ 内田裕也 文藝春秋 2009年10月28日 - いもづる読書日記

2022年は中上健次の没後30年だったそうだ。この本は2007年に出版され、この度増補版として再刊されるにあたり、折口信夫坂口安吾に関する講演をおさめたとのことだ。講演は1983年から85年にかけて行われたものであり、著者40歳前の意気軒昂な勢いが感じられる。
中上健次が亡くなる前、「軽蔑」が新聞連載されていた。新聞小説らしからぬ題材だったが、よく構成された佳作だった。だが、例えば「異族」のような途方もなさが、多元的というか座標軸が入り乱れる世界が、中上が一貫して抱えていた本質なのではないか。本書に収められた言葉たちからその片鱗が垣間見える。