渋谷系狂騒曲 街角から生まれたオルタナティヴ・カルチャー 音楽ナタリー著 2021.03.02

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細野晴臣と彼らの時代 門間雄介 文藝春秋 2020年12月17日 - いもづる読書日記

心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋― 斎藤環 、與那覇潤 新潮社 2020/05/27 - いもづる読書日記

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ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論の通販/香山 リカ - コミック:honto本の通販ストア

渋谷系というのは、1990年前後に興った音楽ムーブメントで、代表的なバンドはピチカート・ファイヴフリッパーズ・ギター。後者は解散後の小沢健二小山田圭吾(Cornelius)の活躍によって知る人ぞ知る存在になったように思う。本書でも渋谷という土地の特権性が述べられるが、例えば映画「ノーザン・ソウル」に描かれたDJ達が似たような音楽マニアでありながらローカルな存在でもあることを思うと、渋谷系の排他性が偏狭にも感じる。「今となってはカッコ悪い言い方に聞こえるかもしれないんですけど、当時はロンドンの人たちを意識しつつ、『日本でも同じようなことができるんじゃないか』と思ってやってたんです。(中略)『パンクの誕生に立ち会った30人もこんな感じだったはず』と考えたり。」(201ページ)というクラブ「SLiTS」の山下直樹さんのコメントに共感を持った(同世代だし)。
今回、小山田が東京オリンピック開閉会式の作曲担当を辞退したことで、バブル経済を背景とした浮薄な時代の象徴として渋谷系が捉える向きもあるかもしれない。香山リカは次のような文章を著している(かつてのサブカル・キッズたちへ~時代は変わった。誤りを認め、謝罪し、おずおずとでも“正論”を語ろう | 連載コラム | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス)。この中で香山は「80年代サブカルから出てきた人」と自己規定した上で、「とはいえ、当時、私たちは大きな前提を忘れていた。それをあえてひとことで言うなら、『人権意識』となるだろうか。」と述べている。この辺、「心を病んだらいけないの?」における人間主義回帰という議論につながっているように思う。