食品の裏側 安部司 2005年10月28日 東洋経済新報社

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安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ) 中藤玲 著 2021年03月10日 - いもづる読書日記

食品添加物の神様」が食品の裏側を語る「翻訳者」になるに至った経緯を語った本。自ら開発したミートボールを家族に食べさせたくないと思った経験が語られる。「そのミートボールは、スーパーの特売用品として、あるメーカーから依頼されて開発したものでした。(中略)売値が1パックたったの100円弱。そこまで安い値段設定ができた理由は、原価が20円か30円だったからです。」(37ページ)まさに、デフレエコノミーの産物だったわけだ。筆者はこのようにいう。「これほど食品添加物が蔓延している世の中では、私たちの食生活から添加物を『ゼロ』にするのは現実問題として不可能です。(中略)添加物を単純に目の敵にし、拒否するのではなく、どう付き合うか、どう向かい合うか、どこまで自分は許せるか。それこそが大切なのです。」(183ページ)そして、いかに選択していくかが語られる。非常に実践的。最後は「あなたの小さな選択が食と心を変える」とむすばれる。イデオロギー的に全否定に向かうのではなく、粘り強く歩んでいく耐久力、レジリエンスが大事だということか。