日本が世界一「貧しい」国である件について 谷本真由美(@May_Roma) 祥伝社 2013/ 4/1

日本が世界一「貧しい」国である件について :BOOK SHOP 小学館

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Twitter(X)で健筆をふるうMay_Romaさん、本書は2013年刊だが、2016年に祥伝社黄金文庫で再刊されているらしい。結構、図書館でも人気で、次々出ている新刊はなかなか読めない。10年前の著作なので、内容は流石に古いが、まだ半信半疑だった「貧しい日本」が今では誰も疑わなくなっているのに時代を感じる。
日本社会が特殊だという論はそれ自体が需要がある。張り巡らされた自縄自縛の息苦しさをやり過ごさなければならないからだ。本書の前半で繰り返される「労働は手段であって目的ではない」という考えは、それ自体が労働を持続する効力を持っていると思う。ただ、「欧米では」という括りが粗雑だということはコロナ禍が浮き彫りにした。知っている範囲でもアメリカとイギリスの保健行政が大きく異なること、問題点は多いにせよ日本の健保制度がそれなりによくできていることが、今回解った。でもまあ、国内生活が永い私だが、著者の主張には概ね賛成。