内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで (講談社現代新書) 2018/12/19 倉本 一宏

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蘇我氏 ― 古代豪族の興亡 (中公新書) 倉本一宏 中央公論新社 2015/12/18 - いもづる読書日記

東アジアの動乱と倭国 (戦争の日本史1) 吉川弘文館 2006/11/16 森公章 - いもづる読書日記

独学で歴史家になる方法 日本実業出版社 2018.11 礫川全次著 - いもづる読書日記

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 戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで (講談社現代新書) 倉本一宏

壬申の乱 (戦争の日本史) 吉川弘文館 2007/1/16 倉本 一宏

 

倉本一宏氏は1958年生の国際日本文化研究センター教授。「蘇我氏」など一般向けの書籍が多いか?本書は「内戦」を切り口に古代史を概観してみようという趣向で、日本武尊の東征、岩井の乱、壬申の乱藤原広嗣恵美押勝平将門藤原純友平忠常、前九年・後三年の役などが挙げられる。あれ?乙巳の変は?と思うが、これには戦闘がともなわなかったから内戦ではないのか。何れも興味深いし、落ち着いた筆致で好感を持つが、なんとなく隔靴?痒の感はある。「戦争の日本古代史」や「壬申の乱」も読まなければならないだろう。
「独学で歴史家になる方法」では鈴木治「白村江」が紹介され、「天智天武朝の日本が唐の間接支配を受けていた、現在の日本が実質アメリカに支配されているのと同じだ」と述べられているらしい。本書にも登場する天智10年の唐使郭務?の訪日が、対日圧力が顕かになる契機だったと推測されるがその実際は不明である。「大友王子とその周囲の五大官、そしてブレインの亡命百済人のみによって運営されていた近江朝廷は、急速に親唐外交路線へと傾斜していき、対新羅戦用の徴兵を急いだ。」(96ページ)壬申の乱で大友王子を倒した天武天皇が外交方針をどのように転換したのか勉強したいと思う。