調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝 近田春夫 リトルモア 2021/01/28

「調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝」書評 流転を続けて「袖で見る」音楽史|好書好日

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細野晴臣と彼らの時代 門間雄介 文藝春秋 2020年12月17日 - いもづる読書日記

JOHNNY TOO BAD 内田裕也 モブ・ノリオ 内田裕也 文藝春秋 2009年10月28日 - いもづる読書日記

近田春夫は歌謡曲をロックアレンジした「電撃的東京」、日本にヒップホップをもたらしたビブラトーンズ、ビブラストーン週刊文春の連載「考えるヒット」等々、様々な活躍をした才人。私は日本のトッド・ラングレンだと思っている。
自分のことが良く見えている、頭のいい人だと思った。「俺みたいに何でも小器用にこなせる隙間産業的な人間が少なかったから(中略)そこそこ安定した立場のタレントさんにはなれたと思うんだ。だけど、そういう状況にありながらたまに思い出したように音楽活動を行ったとしても(後略)」(168ページ)、「一番の衝撃だったのはセックス・ピストルズ。(中略)『よし、髪を切ろう』と決めた。」(120ページ)、「この当時の俺は、ロックという表現形態の行く末について悲観的な考えを抱いていた。(中略)非アカデミックなものがアカデミックなものに勝つというその瞬間こそ『ロックンロール』の醍醐味である。俺は昔からそう定義してきた。パンクやヒップホップに形を変えながら、その精神はずっと受け継がれていったと思うんだ。」(189ページ)
非音楽的な観点からは内田裕也との関係が興味深いんだろう。まあ、でも全然過大評価というか思い違いだと思うよ。