ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命 ジェン・ペリー著 2021/11/26 Pヴァイン

ジェン・ペリー(著)坂本麻里子(訳)『ザ・レインコーツ──普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』 – P-VINE OFFICIAL SHOP

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レインコーツは聞いたことがなかった。スリッツと同系統のバンドと思っていた。意識し出したのはリーダーのアナ・ダ・シルバがPhewとシンセの作品を作っていたことを知ってからだ。あらためて作品を聞くと最もポストパンク的なバンドであることがよくわかる。まるで人類が音楽を発見した瞬間を幻視するようだ。本書を書いたジェン・ペリーにとっても欠くことのできないバンドだったのだろう。
で、本編では触れられていないことが重要と思われる。野田努氏による「補足」にある通り、アナとジーナはバンドを継続している。YouTubeでは”in Dan Graham’s Stage"という動画を見ることができる。おばさんになった彼女たちは驚くほど瑞々しい。活動を継続すること、ルーチンに堕さず実験精神を持ち続けること、DIY、シスター・フッドーー。ポスト・パンクの中心には女性がいて、時代の精神を体現している。これは一つの奇跡だと思う。

「ザ・レインコーツ」の初回プレスにはグリーン・ガートサイドによる言葉「神話とメロディの構築と脱構築 (Construction and Deconstruction of Myth and Melodies) 」がフィーチャーされていたそうだ。